桑名紗衣子  KUWANA Saeko  よどみに浮かぶうたかたは、 The bubbles are floating on the pool,   2013年12月7日(土) - 2014年1月11日(土) Dec. 7th 2013 - Jan. 11st 2014  オープニングレセプション : 12月7日(土) 18:00 -  Opening reception for the artist :  Dec.7th 18:00 -

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとゞまりたるためしなし。
世中にある人と栖と、又かくのごとし。
The river never stops running, and the water is never the same as before.
The bubbles are floating on the pool;
some bubbles are disappearing and some are coming up; they will never be the same.

今回の展示では、表層を、イメージによって操作し、さらにbabblesによって輪郭をブラされた、
装飾品のような彫刻が混在する展示をおこなう。
展示タイトルでもある方丈記の出だしの一文を、人の認識や情報の在り方と重ねたが、
底に重みを沈殿させた情報の上澄みを掬い続ける現代に生きる私達が、何をもってそれらを共有し合えているのだろうか。
鑑賞者と私の、個人的な趣味嗜好やバックボーンから生まれる些細な差異の重なりを、
不確定要素から成立する装飾品のような彫刻から浮かび上がらせたい-噛み合わないまま進む会話のように。